冬は発酵食でほっこりワクワク

くらしのたのしみの調味料と食材で作りました!身体が喜ぶ発酵食メニューで家族仲良くほっこりとおいしいお料理を囲みましょう。

和の献立 洋食の献立
発酵食とは 美発酵食研究家yuriko


和食の献立

おいしくて身体が喜んで、家族みんながほっこりとする!平和な食卓を作る和の発酵献立です。




洋食の献立

特別な日には手間をかけて、いつもより豪華な食卓を。洋食だっておいしい発酵メニューがたくさんです!




和のレシピ

1)切干し大根の酒粕煮

切干し大根の酒粕煮
【材料】
切り干し大根・・・20g
切り干し大根の戻し汁・・・200ml
人参・・・1/3本
油揚げ・・・1/2枚
うすくち醤油・・・大さじ1
酒粕・・・大さじ1
油・・・ごく少量
唐辛子の輪切りはお好みで

切り干し大根うすくち醤油

【作り方】

切り干し大根はさっと洗い、200mlのお水(戻し汁も使います)で15分程戻します。

人参は4㎝ぐらいの太めのせん切り、油揚げも油抜きのあと人参と同じぐらいの長さの細めの短冊切りにします。

①の水気をしっかり搾り、戻し汁はすべてとっておきます。

お鍋にごく少量の油を入れ(唐辛子も)、人参と油揚げをさっと炒めます。

戻し汁をすべて入れ、沸騰してきたら弱火にして、お玉でひとすくい小さなボウルにとり、そこに酒粕を入れて酒粕を溶かします。

お鍋に切り干し大根を入れ、酒粕を投入し、うすくち醤油も加えます。落し蓋をして弱火で煮汁がほとんどなくなるまで煮たら火を止めます。少し置いて味をなじませたら完成。

ポイント

通常切り干し大根に入れるお酒の代わりに酒粕を使うことでみりんやお砂糖、また昆布や鰹節などのお出汁を使わなくても充分に奥深い味になりますし、酒粕特有の良い香りまで楽しめます。おすすめの酒粕は無農薬無肥料で自然酒を造る酒蔵「寺田本家」の「自然酒酒粕」。





2)春菊の黒米甘酒黒胡麻和え

春菊の黒米甘酒黒胡麻和え
【材料】
春菊・・・150g(一束)
黒胡麻・・・大さじ5
黒米甘酒・・・大さじ2
(お水で薄める濃縮タイプ。黒米甘酒がおすすめですが、玄米や白米でも美味しく出来ます)
濃口醤油・・・小さじ1
(和え衣が少し余ると思いますので、余った分は冷凍も出来ますし、冷蔵庫で約1週間保存出来ます。)

黒米甘酒 濃口醤油

【作り方】

春菊は葉の裏側に土や虫がついていることが多いので、水の中で丁寧に洗います。

お鍋にお水を入れ沸騰したら春菊を茎から入れ、そのあと葉も入れてさっとゆでます(茹ですぎると柔らかくなりすぎて歯ごたえがなくなってしまいます)。茹でたらお水につけて熱を取ってから水気をよく絞り、4㎝ぐらいの長さにカットします。

黒胡麻をフライパンで煎り、すり鉢で少し粗目にすります(すりごまを使用してもOK)。

③に甘酒と濃口醤油を加え、混ぜ合わせます。

食べる直前に②の春菊を④と和えたら完成。

ポイント

④の和え衣で和える前に春菊にお醤油(別量)少量で少し洗ってぎゅっと絞る(しょうゆ洗い)というひと手間を加えると和え物の味がぼやけず、より美味しくいただくことが出来ます。私は野菜の胡麻和えにはうすくち醤油をよく使いますが、春菊はいい意味で癖のある野菜なので、今回は旨味の強い濃口醤油を合わせました。





3)発酵メカジキのソテー 梅醤甘酒葛あんかけ

発酵メカジキのソテー
【材料】
めかじき・・・2切れ
ウエダ家の乳酸菌・・・1g(または塩麹 小さじ1)
お塩・・・適量
お酒・・・小さじ1
米粉・・・適量
くせの少ない油・・・適量
ネギ・・・お好みで

あんかけの材料A
梅醤・・・大さじ2/3
お水・・・大さじ2
お酒・・・大さじ1
甘酒(濃縮タイプ)・・・大さじ1
葛粉・・・小さじ2/3

ウエダ家の乳酸菌 石垣の塩米粉 梅醤 甘酒 葛粉

【作り方】

メカジキの水気をふき取り、小さじ1のお水で溶いた乳酸菌をすり込み、20~30分置きます。(塩麹でやる場合は小さじ1を両面に塗り20~30分置きます。)

出てきた水分を拭き、お塩をまぶします(塩麹の場合、麹は焦げやすいので軽く落とします。お塩は不要)。

メカジキの両面に米粉をつけ余分な粉をはたき、フライパンに油を敷き、中火で焼き始めます。

少し焼き目が付いたらお酒を小さじ1入れてフタをして弱火にします。2分ほど経ったらひっくり返し、またフタをして弱火で2分ほど焼きます。

中まで火が通ったらお皿に移し、同じフライパンにAを入れて弱火にかけ、ヘラなどでまぜあわせます。すぐとろみがつくので火からおろし、メカジキの上にかけて完成。お好みでネギをトッピングしてください。

ポイント

ウエダ家の乳酸菌を塗ってからお魚を焼くと臭みが取れるし、ふっくら仕上がります。塩麹を塗っても麹の酵素の力でふっくら美味しく仕上げることが出来ます。鮭など他の切り身にも使えます。





4 ごぼうの味噌酢きんぴら

ごぼうの味噌酢きんぴら
【材料】
ごぼう・・・30センチ(やや太めが2本ぐらい)
お味噌(辛口)・・・大さじ1
かつおだし粉末・・・小さじ1
米酢・・・大さじ1
お酒・・・大さじ2
胡麻油・・・小さじ2
みりん・・・大さじ1
お水・・・100cc

かつおだしボトル

【作り方】

ごぼうの泥をたわしで落とし、太めのささがきにしたら酢水にさらしてから水気をよく切ります。

フライパンに胡麻油を入れ、ごぼうを中火で炒め油が全体に回ったら、お水、かつお出汁粉末、みりん、お酒、お味噌、お酢を入れて弱火~中弱火で煮ます。

汁気がなくなり、ごぼうがちょうど良い硬さになったら完成。

ポイント

お醤油でなくお味噌で作るきんぴらも美味しいものです。かつお出汁がより味に深みを与え、お酢がくどさのない味にしてくれます。お味噌は辛口の米味噌(赤味噌)を使用しましたが、豆味噌を使うのもおすすめです。





5 かぶの柚子甘酒漬け

かぶの柚子甘酒漬け
【材料】
かぶ・・・中2個
甘酒・・・大さじ6
お塩・・・小さじ1
柚子皮・・・適量。お好みの大きさにカットしておきます。
(無農薬ないしはフルーツウォッシャーで洗ったもの)

甘酒 石垣の塩フルーツウォッシャー

【作り方】

かぶを洗ってから皮をピーラーでうすく剥き、薄い半月切りにします。

保存袋に①とお塩を入れ、袋の上からよく揉み3~4時間冷蔵庫に入れておきます。

水分が出てくるのでいったん水分を捨てます(この水分にオリーブオイルを混ぜてドレッシングにしても美味しいです)。

お塩を少し足し(分量外)、甘酒と柚子皮を入れて揉みこみます。

冷蔵庫で一晩寝かせて完成。水気を少し絞って柚子皮と一緒に盛り付けます。

ポイント

柚子の香りを楽しめる簡単べったら漬け、我が家の冬の定番です。④のの段階でお塩ではなく、塩麹をお塩の倍量入れて作るとさらに美味しくいただけます。塩分は好みですので、サラダ感覚なら塩分を少し少なめに、塩っけの効いたお漬物にしたい場合は塩分量を足してみてください。





6 しょうがと塩昆布の炊き込みごはん

炊き込みごはん
【材料】
お米・・・3合
お水・・・適量
生姜のみじん切り・・・大さじ2~3
塩昆布・・・15g~20g
お酒・・・大さじ2
お塩・・・小さじ1~2

塩昆布 石垣の塩

【作り方】

お米を研いでごはんを炊く直前まで準備をしたら、お酒、しょうが、塩昆布、お塩を入れ、軽く混ぜてごはんを炊きます。

炊きあがったら全体を混ぜ、蒸らして出来上がり。

ポイント

普通炊き込みごはんというとごはんが主役になりますが、今回はおかずや副材がいくつもありますので味付けはごく薄目におかずが美味しくいただける味にしました。くらしのたのしみの塩昆布は化学調味料が入っておらず自然な味わいなのであまり濃い味になりませんが、ほかの塩昆布を使用した場合はこのレシピの分量ですと味が濃くなってしまう可能性があります。





7 とろろ昆布とお豆腐のお味噌汁

お味噌汁
【材料】
かつおだしパック・・・人数分
お味噌・・・適量
絹ごし豆腐・・・適量
とろろ昆布・・・適量

かつおだしパック とろろ昆布

【作り方】

お出汁を温めたら、小さなさいの目にカットした絹ごし豆腐を入れ、さらに温めます。

火を止め、お味噌を溶き入れお椀に装い、とろろ昆布を上にふわっとかけて完成。




かつおだし



洋のレシピ

8 カリフラワーとレンコンの柚子香る醤油サラダ

カリフラワーとレンコンのサラダ
【材料】
カリフラワー・・・大1/4個
れんこん・・・カリフラワーとほぼ同量
柚子皮・・・適量
大葉・・・適量
しそのふりかけ・・・適量(または輪切り唐辛子)
金胡麻・・・適量

サラダのドレッシングA
うすくち醤油・・・大さじ1
太白胡麻油か菜種油・・・大さじ1.5
柚子の搾り汁・・・大さじ1弱
米酢・・・少々

うすくち醤油しそのふりかけ

【作り方】

カリフラワーと皮をむいたれんこんを適当な大きさに切ります。

お鍋にお湯をわかし、お酢を入れてカリフラワー、レンコンの順に約1分ずつ茹で、ザルに上げてよく水気を切っておきます。

大葉は短めのせん切り、柚子皮も小さくカットします。

Aのドレッシングをよく混ぜ合わせたら、ボウルで②、柚子皮と和え、冷蔵庫で味をなじませます。

食べる直前に大葉、金胡麻、しそのふりかけ(または輪切り唐辛子)を散らして完成。

ポイント

このサラダは私のイベントで大人気だったサラダです(くらしのたのしみの珠里さんもお気に入りです)。本来白醤油で作るのですが、うすくち醤油でも美味しく出来ます。濃口醤油ですと旨みが強すぎて、れんこんやカリフラワーの味が負けてしまうし、見た目も茶色っぽくなってしまうのでうすくちがおすすめです。






9 マスカルポーネチーズディップ2種のカナッペ

チーズディップ
~ローズ蜂蜜とレーズンの梅マスカルポーネチーズのディップ~
【材料】

梅のペースト・・・適量
マスカルポーネチーズ・・・適量
ローズの蜂蜜(または蜂蜜)・・・適量
ドライレーズン・・・適量
クラッカー・・・適量

梅絹 ローズはちみつ

【作り方】

マスカルポーネチーズに梅のペーストを混ぜ合わせます(量は味をみながらお好みの量を入れてください)。

クラッカーに①を塗り、上にレーズン(あれば薔薇のはちみつの薔薇も乗せると美しいです)を乗せて、さらにはちみつをかけて完成。
~野菜の糠漬けと塩昆布の味噌マスカルポーネチーズのディップ~
【材料】

米味噌・・・適量
マスカルポーネチーズ・・・適量
きゅうりの糠漬け(出来ればラディッシュの糠漬けも)・・・適量
塩昆布・・・適量
クラッカー・・・適量

塩昆布

【作り方】

きゅうりの糠漬け(ラディッシュも)を小さな角切りにします。

マスカルポーネチーズにお好みの量のお味噌を混ぜます。

クラッカーに②のディップを塗り、糠漬けと塩昆布をトッピングして完成。プレートにラディッシュときゅうりの糠漬けを飾ってみました。

ポイント

マスカルポーネに梅のペーストを多めに混ぜると淡いピンク色になります。ほんのり梅の酸味と蜂蜜の甘さがよく合います。マスカルポーネにお味噌を混ぜるとキャラメルのような風味になりますが、そこに糠漬けの乳酸菌の酸味と塩昆布が良いアクセントになり癖になる味です。






10 ほうれん草の甘酒豆乳ポタージュ

ほうれん草の甘酒豆乳ポタージュ
【材料】
ほうれん草・・・1束(茹でて水気をよく絞り、適当な大きさに刻んでおきます)
玉ねぎ・・・1/2個
お水・・・300cc
豆乳・・・200cc
甘酒・・・大さじ1
ベジクック・・・大さじ1(なければ野菜コンソメ顆粒)
米粉・・・大さじ2
オリーブオイル(癖のないタイプ)・・・適量
レッドミネラルソルト・・・適量(なければ岩塩)
ブラックペッパー・・・適量

甘酒 ベジクック 米粉 レッドミネラルソルト

【作り方】

お鍋にオリーブオイルを入れて薄切りにしたたまねぎを入れ、お塩(分量外)を少々入れて、たまねぎがしんなりするまで弱火で炒めます。

①に米粉を加え、木べらなどでさっと混ぜてお水とベジクックを加え、さらによく混ぜ合わせます。

少し煮立ってきたら火を止め、そのまま冷まします。

ある程度冷めたらミキサーに入れ、ほうれん草と甘酒も加えてミキサーを回します。

なめらかになったらもう一度お鍋に戻し、豆乳を加えて軽く沸騰させ、レッドミネラルソルトとブラックペッパーで味を整えて完成。

ポイント

じゃがいもを入れずに米粉でとろみをつけたなめらかなポタージュです。甘酒を少し加えることで、ほうれん草の癖を和らげ、ほんのり感じる甘さがよりホッとする美味しさにしてくれます。






11 塩麹漬けローストポーク 赤ワインソースがけ&乳酸発酵マヨネーズのポテトサラダ

ローストポーク
~塩麹漬けローストポーク~
【材料】

豚肩ロース肉のブロック・・・500g
塩麹・・・大さじ1.5
おろし生姜・・・大さじ2
おろしにんにく・・・小さじ1~2
オリーブオイル・・・適量
オニオンブレンドスパイス・・・適量(なければローリエやローズマリー、 オレガノなどお好みの乾燥ハーブ)

赤ワインソースA
赤ワイン・・・120cc
濃口醤油・・・大さじ1
みりん・・・大さじ4
バター・・・小さじ2
葛粉少々

オニオンスパイス濃口醤油葛粉

【作り方】

ブロック肉の全面に塩麹、おろし生姜、おろしにんにくを塗り、保存袋に入れよく揉みこみ、空気を抜いて3日間冷蔵庫で寝かせます(2日間でもOK)。

お肉を焼く1時間~1時間半前に常温に戻し(冬は1時間半)、オーブンを120度に温めておきます。

表面の塩麹をさっと拭き取り(塩麹は焦げやすいため)、表面に乾燥しないようオリーブオイルを塗り、オニオンブレンドスパイスを全体にふりかけます。

天板にクッキングシートを敷き、網に③のブロック肉を乗せて120度で70分~80分焼きます。

赤ワインをお鍋に入れて中弱火にかけ、約半量になるまで煮詰めます。煮詰まったら残りの赤ワインソースAの材料を入れて5分ほど火にかけて混ぜながらソースを完成させます。(バターは最後の方に入れてください)

70分経ったら一度オーブンからお肉を取り出し、お肉の中まで串を刺してみて透明の肉汁が出てくるか確認します(少しでも赤みがかっていたらさらにオーブンで焼きます)。

問題ないようならお肉をアルミホイルで二重に包みこみ、30分~60分ほど放置します。(オーブンの庫内に入れておいてもOK)

お肉をお好みの厚さにカットして赤ワインソースをかけたら完成。お好みでピンクペッパーをかけると見た目も綺麗です。

ポイント

塩麴に3日間漬け込んだブロック肉をオーブンで焼くだけで適度に柔らかくなり、旨味たっぷりのローストポークに大変身します。生姜やにんにく、ハーブでしっかり臭みを取ってください。即席赤ワインソースも日本の伝統発酵調味料であるお醤油やみりんを使用することで奥行のあるおいしいおソースになります。



~乳酸発酵ポテトサラダ~
【材料】

じゃがいも・・・小5~6個
ブラウンマッシュルーム・・・2個
紫たまねぎ・・・1/4個
パセリのみじん切り・・・適量
お塩・・・適量

乳酸発酵マヨネーズA
卵・・・1個
なたね油や癖のないオリーブオイルなど・・・110g
COBO乳酸菌・・・1g
米酢・・・大さじ1
お塩・・・小さじ1/2

*乳酸発酵マヨネーズの作り方は保存用ビンに材料を入れ、バーミックスで底からなめらかになるまで攪拌する。冷蔵庫で約1週間保存可能。

石垣の塩 ウエダ家の乳酸菌

【作り方】

じゃがいもを皮ごと水から茹で、柔らかくなったら水を切り、皮をむいて好みの状態にすりつぶします。

マッシュルームを薄切りにしてレモンをふりかけ、紫たまねぎは繊維に対して垂直に薄切りにします。(紫たまねぎの辛さが気になる場合は酢水にさらして水気を絞ります。)

①のじゃがいもがある程度冷めてからマヨネーズを入れて混ぜ合わせ、②とパセリも入れてざっくりと混ぜます。お塩で味をととのえたら完成。

ポイント

混ぜるだけですが手作りマヨネーズの美味しさは格別です。



ウエダ家の乳酸菌



発酵食とは
発酵食とは
発酵とは「微生物の働きが食物等を分解・変化させて人間にとって有益な作用をもたらす現象」です。もっと単純にわかりやすく言うと、微生物が人間にとって良い働きをしてくれること。 発酵と腐敗は紙一重。食品で言うと、関わる菌の種類や働きによって人間が喜ぶような美味しく身体に良いものになれば発酵、悪臭が立ち、お腹を壊したり人間にとって有害となれば腐敗と言えます(人間目線と言えますね。笑)。微生物の存在など全く知らないいにしえの人々は長い歴史を通して感覚や経験だけを頼りに生きていくための美味しい保存食として発酵食品を作り上げてきました。先人たちの知恵には本当に驚かされます。お味噌やお醤油、みりんや日本酒、甘酒、糠漬け、納豆など日本の伝統的発酵食品は日本人のDNAにとても適した健康食と言えると思います。ちなみに、熟成した糠床1gには様々な種類の乳酸菌が10億個以上います。まさに生命のエネルギーに満ちた食品と言えますよね!

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発酵食の魅力とは
発酵食の魅力は、一言で言うと「いくつものプラスが重なっている」ということだと思います。食材を発酵させることで起こる魅力的な現象は次のように数々挙げられます。

■食材の美味しさをグンとアップしてくれます。
微生物の力が食品の旨味を引き出し、さらには独特の風味や匂いも加わることによってより一層美味しさが増していきます。煮た大豆と麹とお塩で作るお味噌は発酵によってあのような旨味と甘味のある食品になってしまうのですからイメージしやすいと思います。

■食材の栄養価をグッと高めてくれます。
例えば生のきゅうり(100g)を糠漬けにするとビタミンB1の量は約10倍に増えたり、茹でた大豆を納豆にするとナットウキナーゼという血栓予防効果のある物質が生まれます。また抗酸化物質が豊富で体内の酸化を防いでくれたり、嬉しい美容成分も摂取することが出来ます。

■消化吸収しやすくなり、人間の身体の負担を楽にしてくれます。
元々たんぱく質やでんぷんは分子がとても大きいので人体に吸収される為には胃腸の負担を要しますが、発酵によって微生物が出す酵素がこれらの分子を細かく分解してくれるため、胃腸の負担が軽減され、身体にとても優しいと言えます。

■食材の保存性を高めてくれます。
発酵に関わる微生物が腐敗の原因となる雑菌の繁殖を防いでくれます。余ったお野菜を糠漬けにすればフードロスになりますし、安売りで多めに買ったお魚やお肉を粕漬けや味噌漬けにすればおかずのストックが出来て、災害時にも役に立ちます。

■腸内環境を改善して免疫力を高めてくれます。
発酵食品に含まれる乳酸菌や麹菌には腸内環境を整えてくれる善玉菌が豊富に存在します。特に力強い乳酸菌は胃酸にも負けず腸内の善玉菌をサポートしてくれる働きがあります。加熱で死んでしまった菌も善玉菌のエサとなります。

このように微生物が引き起こす発酵とは魔法のような効能があるのです。

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塩麹の作り方
麹とお塩とお水を混ぜて数日置くだけで出来てしまう万能調味料、塩麹。麹の酵素が生み出す深い旨味や複雑な甘味は、その少ない材料や簡単な作り方からは想像出来ないほどの奥深い味となり、さらにはお肉を柔らかくジューシーに、お魚をふっくらさせてくれる調理効果もあります。
塩麹は、手作りの方が断然コストが安く済みます。
市販の塩麹の大半は製造過程で加熱処理しているため酵素の働きは不明です。旨味のある調味料として使う分には全く問題ありませんが、漬け床として使うには十分ではありません。したがって非加熱のものがベターです。酒精などが入っておらず、原材料にこだわったもので具体的なおすすめとしては、「カネサオーガニック味噌工房」の「有機生塩糀」。有機米麹と沖縄産天日塩シママースのみ(石垣の塩はおすすめ!)で作られた美味しい塩麹です。

【材料】
(塩辛くなく、腐敗の心配も少ない割合)

・米麹200g
(生米麹でも乾燥麹でもどちらでも構いません。乾燥麹の場合は袋に書いてある方法で戻してから使います。生米麹は自然食品店などで売っています)
・自然塩50~60g
(粒子が細かい方が混ぜやすいです)
・お水200cc程度
(乾燥麹の場合はやや多めに)

【作り方】
清潔なボウルによくほぐした米麹とお塩を入れて清潔にした手ですり合わせながらよく混ぜます。
お水を加えて綺麗なスプーンでムラがないように混ぜ合わせます。
ボウルにラップをかけて常温に置きます。
翌日お水が減っているようならば減った分だけ足して麹がある程度お水に浸かっているようにしてください(ただしお水の入れ過ぎぎは塩分濃度が下がり腐敗の原因となるため要注意!)。
約1週間(冬は10日~2週間ほど)毎日1回スプーンで全体をよくかき混ぜます。とろりとなり、塩角が取れて甘みが出てきたら完成。 清潔な蓋つき容器に移し、冷蔵庫で保管します(数ヶ月持ちます)。

※万が一、作っている過程で悪臭がしたり、赤や青やグレーのカビがはえてしまった場合は残念ながら失敗です。食べずに処分してください。



美発酵食研究家ユリコ
「日本の発酵食は美しい」をコンセプトに日本の伝統発酵調味料を使い美味しく、そして美しく見える発酵食の研究をしています。美発酵食の「美」は美しくなるための発酵食という意味も込められています。創業340年続く蔵元・寺田本家とのコラボイベント『寺田本家にまつわる微生物の神秘 ~うすにごり・にごり・泡で醸す夜桜の酒宴~』や、ミツル醤油とのコラボイベント「こいくちとうすくち ~あのミツル醤油に味わい学ぶ~」などを開催。不定期に魅力的なイベントを企画・開催しています。

website「発酵食は美しい」

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(くらしのたのしみ高橋より)
美発酵食研究家として丁寧で美しい和食を発信しているユリコさん、実はくらしのたのしみに長年勤めてくださっているスタッフさんでもあります。食に対する考え方だけでなく、人生に対する考え方も似ているので、お話ししていてとても心地良さを感じる方です。その心地良さはお料理にも表れていて、何とも言えない優しい味がします。インスタには数々の美味しくて目に美しい発酵食が掲載されていて、必見です!instayuriko目にも麗しい食卓は見ているだけでも楽しく、うっとりとしますよ。お料理好きの方はぜひフォローしてくださいませ。
インスタ:@yuriko2yuri



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